2008年01月31日

奇跡  加納朋子「モノレールねこ」

加納朋子「モノレールねこ」(文藝春秋)読了。
8編からなる短編集。
とても著者らしい、優しさにあふれた物語。
『奇跡というものは、案外ちょくちょく起こるものでございますよ・・・・・・割合身近なところで』
なんて言葉が心に残る。
小さな奇跡を信じてみたくなる。そんな1冊。

表題作「モノレールねこ」で、主人公サトルはねこの首輪に手紙をはさむというやり方で、タカキと文通をする。
子供の頃に読んだ本に、図書館の本に手紙をはさむという物語があった。
次にその本を読んだ人と友だちになりたいというわけだ。
その物語にあこがれて、小学生だった私は同じように図書館の本に手紙をはさんだ。
「この本を読んだ人は手紙をください」と住所を添えて。
結局誰からも手紙は来ず、そんなことはすっかり忘れてしまっていた。
今と同じ、本を読むのが大好きだった幼い頃。
ラベル:読書 加納朋子
posted by haru at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の話 か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月26日

また行きたい  茂山千之丞「狂言じゃ、狂言じゃ!」

先日狂言を見たので、狂言の本を1冊。

茂山千之丞「狂言じゃ、狂言じゃ!」(文春文庫)読了。
著者の狂言への愛情があふれていて、読めば読むほど、また見に行きたい!って気持ちでいっぱいになる。
次に見られるのはいつになるかな。

『狂言のこの平和主義的な笑いを象徴する言葉に「和楽」というのがあります。みんなで「和」気藹々のうちに、現実を「楽」しみつつ呵々大笑する。狂言の笑いの真髄は、あるいはこの「和楽」の一句に尽きているかも知れません。』
posted by haru at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の話 さ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月24日

幸福なひととき

「初春狂言福来る〜万作・萬斎狂言会」を見に行く。
はじめに、野村萬斎さんによる解説がある。
上演される演目「舟渡聟」「首引」のあらすじを、狂言の決まりごとを含め説明される。
解説の最後には、「首引」の中で鬼たちが発する掛け声のようなもの、「え〜いさらさ〜、えいさらさ〜」というフレーズを客席の全員で声に出してみるなど、リラックスした雰囲気が満ちている。

狂言の笑いはあたたかい。
人間の滑稽さが描かれていても、それは決して嘲笑ではなく、身分や立場の違いなど飛び越えて、お互いを認め許してしまうおおらかさがある。
気持ちよく笑い、会場を出てもまた、思い出して笑いたくなる。
本当に見にきてよかった。
posted by haru at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月23日

新しい出会い  佐伯泰英「鵺女狩り」

佐伯泰英「鵺女狩り 文庫書下ろし/長編時代小説」(光文社文庫)読了。
佐伯泰英作品を読むのはこれがはじめて。
人から本を借りることは、時に思わぬ出会いがあって楽しい。

主人公夏目影二郎は、父から遍路旅に誘われ伊豆へ向かう。
道中、何度も命を狙われる。ただの遍路旅ではなさそうだが、この旅に一体何が隠されているのか。
何度襲われても、相手がどんな得体の知れないものでも、ものともしない影二郎がかっこいい。
そして旅に同行する犬の「あか」の働きも欠かせない。とても賢くて的確に動き、影二郎と父を助けるのだ。

昨夏、NHK木曜時代劇でドラマ化された「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズの磐音様もかっこよかった。
こちらはシリーズ20作を超えているけれど、そのうちどっぷり浸って読んでみたい。
ラベル: 読書 佐伯泰英
posted by haru at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の話 さ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月21日

たからもののようなもの

「ねえ!どうして ぼくのくちから きりが でているの?」
サムが ききます。
「これだけさむいとね、ことばが こおっちゃうの。どのことばも、ちがうかたちのきりになるわ。ほら、みて?」

メアリー=ルイーズ・ゲイ/作・江國香織/訳「ゆきのひのステラ」より
ラベル:絵本
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。