2008年05月30日

いしいしんじ「東京夜話」

いしいしんじ「東京夜話」(新潮文庫)読了。  
東京の街を舞台にした18編をおさめる短編集。
古本屋で、白い学生服を着た老人に出会う『老将軍のオセロゲーム』、大海を舞台にした純愛物語『クロマグロとシロザケ』、声だけの「彼女」との暮らしを描く『そこにいるの?』などがお気に入り。
18編それぞれ、ちがった色合いで、いしいしんじを楽しむことができる。

著者いしいしんじさんをテレビで何度か見たことがある。
なんだか不思議な印象の人で、その不思議さを言葉にすることができなくて、ずっと引っかかっていた。
それが、長薗安浩さんの解説『境界を消しにいく人』を読んで、納得。
ああ、そうだ。『境界を消しにいく人』、いしいさんってきっとそんな人。
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2008年05月27日

青井夏海「赤ちゃんがいっぱい」

青井夏海「赤ちゃんがいっぱい」(創元推理文庫)読了。
「赤ちゃんをさがせ」に続く、助産婦探偵シリーズ第二弾。
助産院をリストラされた陽奈ちゃんが、聡子さんの紹介で再就職したのは『胎内育児』を勧める<ハローベイビー研究所>。
そこでは価値のないものばかりがなくなる奇妙な盗難事件が続き、さらに赤ちゃん置き去り事件が発生する。
一体、研究所内で何が起ころうとしているのか。

好きなところのいっぱいある本。
陽奈ちゃんの、無鉄砲にも思える正義感の強さと好奇心の強さも。
ラストの陽奈ちゃんと聡子さんとのやり取りも。
聡子さんの息子・優樹君の幼いながらのプライドも。
どれもがあたたかくてほっこりした気分をくれる。
第三弾もでないかな。
ずっと読みたいシリーズです。


☆この著者の過去の読了本
 「赤ちゃんをさがせ」
ラベル: 読書 青井夏海
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2008年05月24日

畠中恵「とっても不幸な幸運」

畠中恵「とっても不幸な幸運」(双葉文庫)読了。
ちょっとクセのある常連客ばかりが集う『酒場』という名の酒場に、『とっても不幸な幸運』という商品名の缶詰が持ち込まれる。
缶を開けると不思議な幻影があらわれ、開けた者を奇妙な出来事に巻き込んでいく。その騒動を描くファンタジックミステリー。

缶によって動き出した奇妙な出来事に、ひねくれものでちょっと乱暴な店長と、個性的な常連客たちが推理合戦をはじめ、その会話もとても楽しい。
店長が出す料理はどれもおいしそうで、『アボカドと海老のサラダ』や『里芋のゆず味噌煮』、『熱いマッシュポテトに、おろしたゴーダチーズを混ぜ込んだ』という『チーズシチュー』などなど、どれも食べてみたいものばかり。
すっかり自分も『酒場』の常連になったような気分で楽しんだ。


☆この著者の過去の読了本
 「まんまこと」
ラベル:畠中恵 読書
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2008年05月21日

「旅立ち。卒業、十の話」

ダ・ヴィンチ編集部/編「旅立ち。 卒業、十の話」(メディアファクトリー)読了。
あさのあつこ、小路幸也、坂木司、草野たき、川端裕人、関口尚、宮下奈都、藤谷治、吉川トリコ、しまおまほの10名の作家によるアンソロジー。
この本は完全にジャケ買い。
表紙の、女優・多部未華子ちゃんが大好きなので。

卒業の日、ぼくは、ずっと好きだった君に告白することを決めた、という、坂木司『告白の日』。
きっと何かがあるぞと、充分警戒して読んでいたのに、あれよあれよという間に違う世界へ連れて行かれて、何度も前のページを確認してしまった。
やられたなあ、という心地よい敗北感を味わう。

小路幸也『あなたの生まれた季節』のお父さんとお母さんや、関口尚『さようならの雪』の姉ちゃんの強さに、ちょっぴり感動した。

『いま、ぼくの少年の時代が終わりを迎えていることを、しみじみと感じた。もう子供でいられない。子供のままだと、きっと心は傷だらけになるだろうし、被害者みたいな心持ちのまま一生を過ごすことになるのだろう。そんなのはごめんだ。―「さよならの雪」より―』
ラベル:読書
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2008年05月20日

川上弘美「ほかに踊りを知らない。」

川上弘美「東京日記2 ほかに踊りを知らない。」(平凡社)読了。
川上弘美さんは、すきな作家の内の一人。
この力の抜けぐあいがすごくすてき。
章ごとのタイトルのつけ方も絶妙。
『あしのうらが扁平。』とか『ぽそ。』とか『こするわよ。』とか。
もうそれだけでそそられる。

装丁も気に入っている理由の一つ。
祖父江慎さんのデザインは以前から好きだったけれど、テレビで紹介されているのを見て、もっと好きになった。あこがれのひとだ。
ラベル:川上弘美 読書
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