2010年02月20日

宇江佐真理「銀の雨」

宇江佐真理「銀の雨 堪忍旦那為後勘八郎」(幻冬舎文庫)読了。

宇江佐真理さんの本を読んだのはこれが初めて。
ずいぶん前に読もうと思って購入したまま、なかなか読めずに背表紙ばかりを眺めていた。

堪忍旦那と呼ばれる北町奉行所の同心、為後勘八郎が出会った事件や周りの人々を描く連作短編集。
様々な出来事の中で、普通に暮らす人々がそれまで心に秘めていた感情を一気に爆発させる場面はとても美しいと思う。

出会いや別れ、人とのかかわりの中で、人は変わっていく。
寝る前に布団の中で読みながら、涙を抑えられなかった。

本当にもっと早く読めばよかった。
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2010年02月15日

畠中恵「ちんぷんかん」

畠中恵「ちんぷんかん」(新潮文庫)読了。

ページを開いて、若だんなや妖たちに出会えるのがとても楽しみな「しゃばけ」シリーズ第六弾。

五編が収められている中で、好きな話は、おっかさんとおとっつぁんの馴れ初めを描く『男ぶり』と、『はるがいくよ』。
表題作『ちんぷんかん』で、松之助兄さんの縁談に思い悩む若だんなと、自分に自信の持てない弟子秋英へ、寛朝がかける言葉もとてもすき。

いつまでも変わりたくないと願っても、止まることなく時間は流れ、昨日と同じものはひとつとしてない。
どんな形であれいつか別れはやってきて、だからこそ、今を一生懸命生きなければと思う。

今年も桜が咲いたら、若だんなのことが好きだと言った小紅のことを思い出すだろう。
春はもうすぐ。
タグ: 読書 畠中恵
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2010年02月11日

浅田次郎「王妃の館」

浅田次郎「王妃の館 上
      「王妃の館 下」(集英社文庫)読了。

150万円の豪華ツアーと19万8千円の格安ツアー。
倒産寸前の旅行会社が計画したのは、同じ客室に昼と夜と二組のツアーをダブルブッキングしてしまうという前代未聞の大作戦。

二組のツアー参加者は、みな癖のある人ばかり。
リストラされたOLやベストセラー作家、元警察官や美形のオカマなど、それぞれに事情を抱えてパリを訪れ、ニアミスを繰り返しながらドタバタと旅行は続いていく。
そこに300年前のルイ十四世の物語が重なって、気がつけばどっぷりと浸って読んでいた。

父の前で裸になって大地に立ったプティ・ルイの、『フランスの英雄になりたい』と告げる場面がとても好き。
孤独や憎しみや悲しみ、ツアー客たちのどうにもならない思いを感じながらも、安心して読み進んでいけるラストもいい。


『少なくとも私は、大金を払ったからそれだけのことをしてもらおうなんて思ったことはない』
『そういうの、幸せな人の考えることだもの。世の中そんなに甘かないわよ。どうせ狐と狸ばかりの、欺しっこだらけの世の中なんだから、払ったお金の分だけは自分で楽しまなけりゃならない。欺されたって、最後はありがとうって言えるように生きなきゃいけない』
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