2016年02月26日

原田宗典「メメント・モリ」

原田宗典「メメント・モリ」(新潮社)読了。

うかつにも、原田宗典氏の新作小説が発売されていたことを知らずにいて、新聞の書評を見て、慌てて書店へ買いに行った。

語られるのは、身近な人の死、薬物、震災、逮捕、自殺未遂。
始めは、最後まで読めるのかなと、ちょっと不安になったけれど、そんな不安はいつの間にか忘れて読んでいた。

人って、どうしてこんなに回り道をして、難しい道ばかりを選んで生きてしまうんだろう。

でも、生きていてくれてありがとう。
小説を書いてくれてありがとう。
この本を読むことができて、本当によかったと思った。
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2016年02月23日

たからもののようなもの

『月ってさ
お陽さまと違って形や色がはっきり見えるじゃない
だからつい見上げちゃう
きっといろんな人がいろんな気持ちで
おんなじ月を見てるんだろうね』
吉田秋生「海街diary7 あの日の青空」より

2016年02月20日

上橋菜穂子「夢の守り人」

上橋菜穂子「夢の守り人」(新潮文庫)読了。

守り人シリーズ3冊目は、人生に希望が持てなくなった人に幸せな夢を見せ、夢の中にとらえてしまう「花」の世界をめぐる話。
夢にとらわれ眠り続ける姪を助けようと、危険な場所へ飛び込み、罠にはまってしまうタンダ。
皇太子という立場に絶望しているチャグムもまた夢の中にとらわれてしまう。

もうずいぶん昔、朝なんて永遠に来なければいい、目覚めなければいいと、毎日願いながら眠っていた日々が私にもあったことをふと思い出した。

読みながら、なんでこの本のタイトルは「花の守り人」でなくて「夢の守り人」なんだろうってずっと思っていたけれど、それが分かった瞬間、胸の中に温かいものがさあっと広がっていった。

毎日を一生懸命生きていくことが、どれほど強くて尊いことかを改めて教えられたような気がしている。


『おれにはね、人がみんな、<好きな自分>の姿を心に大事にもっているような気がする。なかなかそのとおりにはなれないし、他人にはてれくさくていえないような姿だけどね。
 少なくとも、おれはその姿をもって生きてきた。そして、どうしたらいいかわからない分かれ道にやってきたら、どっちに歩んでいくほうが<好きな自分>かを考えるんだ』


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