2016年02月26日

原田宗典「メメント・モリ」

原田宗典「メメント・モリ」(新潮社)読了。

うかつにも、原田宗典氏の新作小説が発売されていたことを知らずにいて、新聞の書評を見て、慌てて書店へ買いに行った。

語られるのは、身近な人の死、薬物、震災、逮捕、自殺未遂。
始めは、最後まで読めるのかなと、ちょっと不安になったけれど、そんな不安はいつの間にか忘れて読んでいた。

人って、どうしてこんなに回り道をして、難しい道ばかりを選んで生きてしまうんだろう。

でも、生きていてくれてありがとう。
小説を書いてくれてありがとう。
この本を読むことができて、本当によかったと思った。
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2010年05月15日

布施英利「京都美術鑑賞入門」

布施英利「京都美術鑑賞入門」(ちくまプリマー新書)読了。

数年前まで、毎年一度は京都を訪れていた時期がある。
お寺を見て、仏像を見て、庭を見る。
何に惹かれて何度も足を運んでしまうのか、自分でも答えは見つけられていないけれど、そういう時間が好きで、また行きたいなあと思っていた。

『京都初心者に向けた本』とはじめに書かれているけれど、もっと知りたい、もっと見たい、と「もっと」をいっぱい刺激される本だ。
今まで何となくすごいなと思って見ていたものが、すっと視界が広がったような気持ちになる。

今度京都へ行ったら、と妄想しながら読む。
たとえば庭を見るなら、遠近法に注目してみよう、垣根を見よう、苔を見てみよう、などと夢は広がる。
何度もページをめくって、いつかまた京都へ行こうと思う。
タグ: 読書 京都
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2010年02月15日

畠中恵「ちんぷんかん」

畠中恵「ちんぷんかん」(新潮文庫)読了。

ページを開いて、若だんなや妖たちに出会えるのがとても楽しみな「しゃばけ」シリーズ第六弾。

五編が収められている中で、好きな話は、おっかさんとおとっつぁんの馴れ初めを描く『男ぶり』と、『はるがいくよ』。
表題作『ちんぷんかん』で、松之助兄さんの縁談に思い悩む若だんなと、自分に自信の持てない弟子秋英へ、寛朝がかける言葉もとてもすき。

いつまでも変わりたくないと願っても、止まることなく時間は流れ、昨日と同じものはひとつとしてない。
どんな形であれいつか別れはやってきて、だからこそ、今を一生懸命生きなければと思う。

今年も桜が咲いたら、若だんなのことが好きだと言った小紅のことを思い出すだろう。
春はもうすぐ。
タグ: 読書 畠中恵
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2008年05月24日

畠中恵「とっても不幸な幸運」

畠中恵「とっても不幸な幸運」(双葉文庫)読了。
ちょっとクセのある常連客ばかりが集う『酒場』という名の酒場に、『とっても不幸な幸運』という商品名の缶詰が持ち込まれる。
缶を開けると不思議な幻影があらわれ、開けた者を奇妙な出来事に巻き込んでいく。その騒動を描くファンタジックミステリー。

缶によって動き出した奇妙な出来事に、ひねくれものでちょっと乱暴な店長と、個性的な常連客たちが推理合戦をはじめ、その会話もとても楽しい。
店長が出す料理はどれもおいしそうで、『アボカドと海老のサラダ』や『里芋のゆず味噌煮』、『熱いマッシュポテトに、おろしたゴーダチーズを混ぜ込んだ』という『チーズシチュー』などなど、どれも食べてみたいものばかり。
すっかり自分も『酒場』の常連になったような気分で楽しんだ。


☆この著者の過去の読了本
 「まんまこと」
タグ:畠中恵 読書
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2008年04月22日

『蜷川幸雄と「さいたまゴールド・シアター」の500日』

橋田欣典・須賀綾子・強瀬亮子・埼玉新聞取材班『蜷川幸雄と「さいたまゴールド・シアター」の500日 平均年齢67歳の挑戦』(平凡社新書)読了。
「これからの人生を、プロの俳優に賭ける人」という蜷川の呼びかけに集まった、平均年齢67歳の普通の人たち。
芝居経験のない素人の高齢者を集めた劇団の、結成から第一回本公演までの日々の成長の記録だ。
思い通りにはなかなか動けない体、病気や怪我や、進まないせりふ覚えなど、老化との闘いの中で、ときに厳しいダメ出しを何度も受けながらもぶつかり合っていく蜷川と劇団員たちの様子に、何度も涙がこぼれ落ちそうになった。
どれだけダメ出しを受けてもあきらめない、残りの人生をもう一度自分と向き合いたい、夢を追いかけたい。
年齢を重ねた人の力強さに頭が下がる思いがする。
30年後、私もこの人たちのように生きられているだろうか。
この本に出会えてよかったなと思った一冊。
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